会社の経営の仕方を調べると、理念やリーダーシップの話から設立登記の手続きまで、情報の幅が広すぎて何から手を付ければよいか分からなくなります。
ただ、これから起業する人も、すでに経営していて不安がある人も、押さえる順番は同じです。
このページでは、会社の経営の仕方を「目的と事業内容を決める」「形態を選ぶ」「資金を準備する」「手続きを済ませる」「数字で管理する」という基本の5ステップに分け、とくに多くの経営者がつまずく資金の準備と数字の管理を詳しく書きました。
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会社の経営の仕方は5つのステップで考える
| ステップ | やること | つまずきやすい点 |
|---|---|---|
| 1. 目的と事業内容を決める | 誰に、何を、いくらで提供するかを一文で言えるようにする | 「何でもやります」で始めて、価格も顧客も定まらない |
| 2. 形態を選ぶ | 個人事業主か、株式会社・合同会社などの法人か | 信用力だけで法人を選び、社会保険料や税務コストを見ていない |
| 3. 資金を準備する | 開業資金と、入金が始まるまでの運転資金を分けて見積もる | 開業資金だけ用意し、数か月後に運転資金が尽きる |
| 4. 手続きを済ませる | 法人は定款・登記、個人は開業届。許認可や社会保険の手続き | 許認可が必要な業種で、申請の順番を間違えて開業が遅れる |
| 5. 数字で管理する | 月次で売上・原価・固定費・現金残高を締め、資金繰り表をつくる | 年1回の決算まで数字を見ず、黒字倒産や納税資金不足に気づかない |
1と2は始める前に決めること、3と4は始めるときにやること、5は始めてからずっと続けることです。
経営の仕方に「王道」はありませんが、この5つを飛ばして長く続いている会社はほとんどありません。
ステップ1〜2:目的を一文にし、形態は費用と信用で選ぶ
目的と事業内容は一文で言えるまで絞る
「30代の個人事業主に、月額制の経理代行を、月3万円で提供する」のように、顧客・商品・価格を一文にします。
この一文があると、広告の出し先、価格の決め方、採用する人の条件がすべてここから決まります。
逆に一文にできないうちは、資金計画も売上予測も立てられません。
個人事業主か法人かは、費用と信用のバランスで決める
| 個人事業主 | 法人(株式会社・合同会社) | |
|---|---|---|
| 始めるための手続き | 税務署に開業届を出す | 定款の作成(株式会社は公証人の認証も)、資本金の払込、法務局で設立登記 |
| 初期費用 | ほぼかからない | 登録免許税など。株式会社のほうが合同会社より高い |
| 対外的な信用 | 取引先によっては法人のみと取引する場合がある | 法人格があり、融資や大口取引で有利になりやすい |
| ランニングコスト | 所得税・住民税・国民健康保険など | 赤字でも法人住民税の均等割がかかる。社会保険の加入義務 |
売上が小さいうちは個人事業主で始め、取引先や売上規模に合わせて法人化する順番が費用の面では無理がありません。
ステップ3:開業資金だけでは足りない。運転資金を見積もる

起業の資金計画でいちばん多い失敗は、開業資金(設備・内装・保証金・備品)だけを用意して始めてしまうことです。
事業を始めても、売上が入金されるまでには時間がかかります。
法人相手の取引なら、納品してから入金まで1〜2か月が普通で、その間も家賃と人件費は出ていきます。
- 開業資金:設備、内装、保証金、備品、ホームページなど、始める前に一度だけかかる費用
- 運転資金:家賃、人件費、仕入、水道光熱費など、毎月出ていく費用の3〜6か月分。入金が始まるまでの期間と、入金が遅れた場合の余裕を見込む
- 生活費:経営者自身の生活費も、売上が安定するまでの数か月分は別に確保する
自己資金で足りない分は、日本政策金融公庫の創業向け融資や、自治体の制度融資(信用保証協会付き)が創業期の主な調達先です。
公庫の国民生活事業は小規模事業者向けの小口融資が主体で、公式サイトによると利用先の約9割が従業者9名以下です。

開業後に「売上はあるのに現金がない」と相談に来る方のほとんどは、運転資金を見積もっていません。入金サイトが2か月なら、最低でも2か月分の固定費は現金で持って始める必要があります。

ステップ4:手続きは順番を間違えると開業が遅れる
- 許認可の確認:飲食、建設、古物、人材紹介など、業種によっては開業前に許可や届出が必要。要件(資格者・設備・資本金)を先に確認する
- 法人の設立:定款を作成し(株式会社は公証役場で認証)、資本金を払い込み、法務局に設立登記を申請する。登記完了後に法人番号が付与される
- 税務の届出:法人は税務署に設立届、個人は開業届。青色申告を選ぶなら承認申請書も期限内に出す
- 社会保険・労働保険:法人は社会保険の加入が義務。人を雇えば労働保険の手続きも必要
- 口座と会計:事業用の口座とカードを分け、会計ソフトに連携しておくと、ステップ5の数字の管理が楽になる
手続きの詳細は業種や自治体で変わるため、商工会議所・商工会や、国が設置しているよろず支援拠点で無料で相談できます。
ステップ5:数字で管理する。経営の仕方はここで差がつく
経営の仕方で差がつくのは、始め方ではなく始めてからの数字の見方です。
毎月締める4つの数字
売上、原価(売上に連動する費用)、固定費(毎月同額の費用)、月末の現金残高の4つを、毎月決まった日に確定させます。
売上から原価を引いた粗利が固定費を上回っているか、現金残高が固定費の何か月分あるかを見れば、会社の状態はほぼ分かります。
3か月先までの資金繰り表
利益と現金は別物です。
月初残高・入金・支払・月末残高を3か月先まで並べ、残高が薄くなる月を先に見つけます。
納税や賞与など年に数回の支払いも書き込んでおくと、納付月に慌てません。
入金サイトと売掛金の管理
法人相手の取引では、売上が立ってから入金まで1〜2か月空きます。
取引先ごとの入金日を一覧にし、入金遅れがあればすぐ督促します。
入金待ちの売掛金が増えて現金が足りないときは、売掛債権をファクタリング会社に売って期日前に現金化する方法もあります。
借入ではないので負債が増えず、審査は売掛先の支払能力が中心ですが、手数料は融資の金利より高いため、融資の審査中や入金が遅れた月に限って使うのが基本です。
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会社の経営の仕方に関するよくある質問
まとめ
会社の経営の仕方は、目的と事業内容を一文に絞り、費用と信用のバランスで形態を選び、開業資金とは別に固定費3〜6か月分の運転資金を用意し、許認可と登記・届出の順番を守り、始めてからは毎月の数字と3か月先の資金繰り表で管理する、という5ステップです。
差がつくのはステップ5で、売上・原価・固定費・現金残高を毎月見る習慣が、黒字倒産や納税資金の不足を防ぎます。
入金待ちの売掛金で現金が足りない月は、償還請求権のない契約を条件に、ファクタリングで期日前に現金化する方法も使えます。



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