ファクタリングが怪しいと言われる理由と事実の線引き

ファクタリングは怪しいサービスではない!疑われているのはなぜなの?コラム

ファクタリングを調べると「怪しい」「やばい」という言葉がついて回ります。

ただ、その印象の出どころは、取引の仕組みそのものではなく、業界に参入の制限がないことにあります。

仕組みの側を見ると、法律で認められた債権譲渡であり、国の制度でも使われている資金調達です。

このページでは、怪しいと言われる理由を分解し、どこまでが事実でどこからが誤解なのかを分けました。

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怪しいと言われる3つの理由

言われること事実かどうか
登録や免許がなくても営業できる事実。貸金業のような登録制度がないため、誰でも参入できる
貸金業法や利息制限法の上限が直接は当てはまらない事実。債権の売買だから。ただし実態が貸付けなら規制を受ける
ファクタリングという取引自体が違法誤解。民法上の債権譲渡で、金融庁も債権の売買契約だと説明している

最初の2つが事実である以上、悪質な業者が紛れ込みやすいのは確かです。

金融庁も、ファクタリングを装って高金利の貸付けを行うヤミ金融業者の存在が確認されていると注意喚起しています。

つまり「怪しい」のは取引の形ではなく、そこに紛れている一部の業者です。

カリオ
カリオ

「ファクタリングは安全か」ではなく「この会社は安全か」で考えてください。前者には答えがなく、後者は契約書を見れば判断できます。

国の制度でも使われている

怪しいという印象と食い違うのが、国がファクタリングを制度に組み込んできた経緯です。

国土交通省は、下請建設企業や資材業者が元請建設企業に対して持つ債権について、ファクタリング会社が支払保証を行う「下請債権保全支援事業」を実施しています。

下請債権保全支援事業(国土交通省)
  • 下請建設企業等がファクタリング会社に支払う保証料を、国が助成する
  • 元請企業の倒産等で保証債務が履行された場合の損失補償を行う
  • 平成24年1月16日から、建設機械の割賦販売・リース・レンタルに係る債権も保証対象に追加
  • 令和4年12月1日から、債権の保証だけでなく、金額が確定している個別債権の買取も対象に拡充
  • 制度は令和9年3月末まで延長されている

債権の買取、つまりファクタリングそのものが国の支援事業の対象に入っています。

問い合わせ先は国土交通省不動産・建設経済局建設振興課(03-5253-8111)です。

また、2020年4月1日に施行された改正民法では、譲渡制限特約が付いた債権でも譲渡自体は有効とされました(民法第466条第2項)。中小企業が売掛債権を資金化しやすくするための改正で、これもファクタリングの利用を後押ししています。
下請業者がファクタリングを安心して利用できる下請法の存在を考える
下請法では、下請代金の支払いの遅延の禁止や下請代金の減額の禁止など下請業者の利益を守るための項目がいくつか設定されています。下請業者の利益が守られる法律があることで、ファクタリング業者側も安心して下請業者が持っている売掛金の買取ができます。法律で定められている禁止事項を確認し、ファクタリングの利用について考えてみましょ...

法律の裏づけはどこにあるのか

根拠内容
民法第467条債権は譲渡できる。第三者に対抗するには確定日付のある証書による通知か承諾が必要
債権譲渡登記制度法人が金銭債権を譲渡した場合、登記によって第三者への対抗要件を備えられる。平成10年10月1日から実施(法務省)
改正民法 第466条第2項譲渡制限特約が付いていても債権譲渡自体は有効(2020年4月1日施行)
国税庁 No.6201金銭債権の譲渡は消費税の非課税取引
金融庁の説明ファクタリングは法的には債権の売買(債権譲渡)契約

売掛債権を売るという行為には、こうした根拠がそろっています。

「規制する法律がない」と言われることがありますが、正確には業者を登録制にする法律がないという意味で、取引そのものに根拠がないわけではありません。

ファクタリングは違法なのか。裁判所が貸付けと判断した契約の共通点

では、どこで線を引くのか

登録制度がない以上、利用する側が契約書で判断するしかありません。

金融庁が示している基準は、売掛先が払わなかったときの損を業者が引き受けているかどうかです。

貸金業に該当するおそれがある定め(金融庁)
  • 売主が債権を買い戻すこととされている
  • 売主自身の資金で業者に支払いをしなければならないこととされている
  • 買取代金が債権額に比べて著しく低額である

契約書にノンリコースと書いてあるかどうかといった形式だけでなく、経済的側面や実態に照らして判断されるとされています。

担保や保証人を求められる、分割での返済を持ちかけられる、契約書や見積書を出さない、連絡先が携帯電話番号だけ。こうした会社は、取引の形が売買から離れています。申し込む前に降りてください。

業界団体の自主ルールも判断材料になります。

一般社団法人オンライン型ファクタリング協会は2023年3月31日に自主ガイドラインを公表し、会員企業に対して、取引前に手数料の割合や回収金の引渡期限などを情報提供することを義務づけています。

カリオ
カリオ

見積書を出してもらい、実際に振り込まれる金額と、回収金をいつまでに送るかを聞く。この2つに即答できる会社なら、ひとまず話を進めて大丈夫です。

悪質なファクタリング業者の手口と被害に気づいたときの動き方
悪質なファクタリング業者は、書面を出さない、買い戻しを求める、担保や分割返済を持ち出すといった形で売買ではなく貸付けの性質を契約に入れてきます。契約前に避ける見方、被害に気づいたときの手順と相談窓口、二重譲渡など利用者が加害者になる行為までまとめました。

よくある質問

Q
ファクタリングを使っていると、取引先や銀行からの見られ方が悪くなりませんか?
A
2社間なら売掛先に通知されないので、取引先が知ることは基本的にありません。銀行については、決算書に売掛金の減少と売掛債権売却損が出るため、継続して使っていれば把握されます。問題視されるのは利用そのものではなく、慢性的に使い続けている状態です。つなぎとして使い、解消の見通しを説明できれば話は進みます。
Q
手数料が高いのは怪しいからではないのですか?
A
2社間の手数料が高めなのは、売掛先の承諾を取らずに買い取るぶん、回収できないリスクを業者が負うからです。3社間は売掛先が業者へ直接支払うのでリスクが下がり、手数料も下がります。構造上の差で、怪しさの指標ではありません。ただし買取代金が額面に比べて著しく低い場合は、金融庁が偽装ファクタリングの疑いがあるケースとして挙げています。
Q
給与ファクタリングと同じものではないのですか?
A
別物です。事業者向けのファクタリングは、事業で発生した売掛債権を売る取引です。給与ファクタリングは個人が勤務先に対して持つ賃金債権を対象とするもので、最高裁判所は令和5年2月20日の決定で、これを貸金業法と出資法にいう「貸付け」に当たると判断しています。金融庁も利用しないよう呼びかけています。
Q
安全な会社かどうか、申し込む前に調べる方法はありますか?
A
公式サイトで商号、所在地、固定電話番号が公開されているかを確認し、見積書と契約書を事前に出してもらってください。実態が貸付けの疑いがあるなら、金融庁ウェブサイトの「登録貸金業者情報検索サービス」で貸金業登録の有無も調べられます。不安があれば、金融庁の金融サービス利用者相談室(0570-016811)に相談できます。

まとめ

ファクタリングが怪しいと言われるのは、業者を登録制にする法律がなく、誰でも参入できるからです。

取引そのものは民法上の債権譲渡で、国土交通省の下請債権保全支援事業では令和4年12月1日から債権の買取も支援の対象になっています。

線を引くのは利用する側で、基準は「売掛先が払わなかったときの損を業者が引き受けているか」です。

買い戻しの定め、支払いの肩代わり、著しく低い買取代金。この3つがなければ、ひとまず売買として成り立っています。

ファクタリングの仕組みをお金と債権の動きで解説!2社間・3社間の流れ、手数料が決まる仕組み、法律上の位置づけと偽装の見分け方
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