債権回収会社に任せられる債権と任せられない債権

債権回収とは?サービサーの役割や利用するメリット・デメリットを紹介!コラム

債権回収を外部に任せたいとき、相談先は弁護士か債権回収会社(サービサー)になります。

ただし、一般の事業者が持つ売掛金をサービサーに任せられるとは限りません。

サービサーが扱える債権の範囲は法律で限定されていて、普通の売掛金はそこに含まれていないからです。

このページでは、サービサーとは何か、何を任せられて何を任せられないのか、そして見分け方をまとめました。

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サービサーは法務大臣の許可を受けた株式会社

債権回収会社(サービサー)は、債権管理回収業に関する特別措置法にもとづく制度です。

法務省によると、この法律は許可制度を実施することで弁護士法の特例として、債権回収会社が業として特定金銭債権の管理と回収を行えるようにするものです。

許可の主な基準(法5条)
  • 法務大臣の許可を受けた株式会社でなければ営めない
  • 資本金の額が5億円以上であること
  • 常務に従事する取締役のうちに、職務を公正かつ的確に遂行できる知識と経験を有する弁護士がいること
  • 暴力団員等が事業活動を支配していないこと
  • 債権管理回収業を適正に遂行するに足りる人的構成を有すること

法務大臣は許可にあたって、暴力団排除の観点から警察庁長官の意見を、弁護士である取締役の適格性について日本弁護士連合会の意見を、あらかじめ聴くこととされています。

カリオ
カリオ

資本金5億円以上で、弁護士が常勤の取締役にいる。この条件だけでも、名乗るだけの会社とは別物だと分かります。

商号で見分けられる

法律は、債権回収会社の商号中に「債権回収」という文字を使う義務を定めています。

そして、債権回収会社でない者が似た商号を使うことを禁じています。

見分け方内容
商号「○○債権回収株式会社」のように、商号に「債権回収」が入っている
許可の確認法務省が債権回収会社の一覧や行政処分の情報を公表している
請求の明示相手から請求があったときは、商号や従事者名を明示する義務がある
債権回収会社を名乗る架空請求のはがきやメールが出回っています。商号に「債権回収」が入っていても、実在する会社の名をかたっている場合があります。心当たりのない請求は支払わず、消費者ホットライン(188)や警察相談専用電話(#9110)に相談してください。

任せられる債権は「特定金銭債権」に限られる

ここが実務上いちばん大事な点です。

サービサーが扱えるのは法律が定める特定金銭債権で、法務省は次のような区分を挙げています。

区分例
金融機関等の貸付債権等銀行や貸金業者の貸付債権、かつて有していた貸付債権
リース・クレジット債権リース契約にもとづく債権、クレジットカードの割賦購入あっせん債権
SPC・SPVの流動化資産である金銭債権資産の流動化に関する法律にもとづく特定資産など
ファクタリング業者が有する金銭債権その業務として買い取ったものに限る
倒産手続中の者が有する金銭債権等法的倒産手続中の者が有する債権、取引停止処分を受けた者がその日に有していた債権など
保証契約にもとづく債権、求償権等上記を担保する保証契約の債権、信用保証協会が保証債務を履行して取得する求償権など
一般の事業者が商品やサービスの提供で持っている普通の売掛金は、この一覧に直接は含まれていません。つまり、自社の売掛金の回収をそのままサービサーに委託することはできないのが原則です。回収を外部に任せたい場合は、弁護士に相談してください。

一方で、ファクタリング会社が業務として買い取った金銭債権は特定金銭債権に含まれます。

売掛金をファクタリングで譲渡すれば、その後の回収はファクタリング会社の側の問題になります。

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サービサーと弁護士の違い

債権回収会社(サービサー)弁護士
根拠債権管理回収業に関する特別措置法(弁護士法の特例)弁護士法
扱える債権特定金銭債権に限られる制限なし
裁判上の行為委託者のために自己の名で行えるが、一定の裁判上の行為は弁護士に追行させなければならない自ら行う
向いている場面金融機関やリース会社などが大量の債権を処理する一般の事業者が売掛金を回収する

中小企業が取引先の未払いに困っている場合、相談先は弁護士になります。

サービサーに課されている規制

取立てについても規制があります。

債権回収会社の禁止行為(法14条〜18条)
  • 名義貸しの禁止
  • 人を威迫し、または私生活・業務の平穏を害するような言動により相手方を困惑させる行為の禁止
  • 暴力団員等を業務に従事させ、または業務の補助として使用する行為の禁止
  • 債権の管理・回収にあたり、偽りその他不正の手段を用いることの禁止
  • 利息制限法の制限額を超える利息や賠償額の約定がある債権について、制限額内に引き直さずに履行を要求することの禁止

弁済を受けたときは受取証書を交付し、債権証書を返還する義務もあります。

法務大臣は債権回収会社に対して報告の徴求や立入検査を行うことができ、警察庁長官も暴力団の関与を確認する限度で同様の権限を持ちます。

行き過ぎた取立てを受けている場合は、この規制に照らして違法な可能性があります。やり取りを記録したうえで、弁護士や警察相談専用電話(#9110)に相談してください。

回収が難しくなる前に手放す選択

回収の手続きは、時間も費用もかかります。

支払期日が来る前で、相手の支払いに不安を感じている段階なら、ファクタリングで譲渡しておく方法があります。

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すでに期日を過ぎて回収が困難になった債権は、ファクタリングの対象外です。

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「怪しい」と感じた時点が動きどきです。期日を過ぎてからでは、取れる手段が回収の手続きだけになります。

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よくある質問

Q
自社の売掛金の回収をサービサーに頼めますか?
A
原則としてできません。サービサーが扱えるのは法律が定める特定金銭債権で、金融機関の貸付債権、リース・クレジット債権、ファクタリング業者が業務として買い取った金銭債権などに限られます。一般の事業者が持つ通常の売掛金はこれに直接は含まれていないため、回収を外部に任せたい場合は弁護士に相談してください。
Q
本物のサービサーかどうかを確かめる方法はありますか?
A
商号に「債権回収」の文字が入っているかが手がかりになります。法律は債権回収会社に商号中への使用義務を課し、債権回収会社でない者による類似商号の使用を禁じています。法務省は債権回収会社に関する情報や行政処分の状況を公表しているので、そちらでも確認できます。
Q
身に覚えのない請求が債権回収会社から届きました。
A
支払う前に確認してください。実在する会社の名をかたる架空請求が出回っています。請求書に記載された連絡先ではなく、自分で調べた公式の連絡先に問い合わせてください。判断に迷う場合は、消費者ホットライン(188)や警察相談専用電話(#9110)に相談できます。
Q
サービサーは裁判も代わりにやってくれますか?
A
債権回収会社は、委託者のために自己の名で債権の回収等に関する裁判上または裁判外の行為を行う権限を持ちます。ただし一定の裁判上の行為については、弁護士に追行させなければならないとされています。

まとめ

サービサーは、債権管理回収業に関する特別措置法にもとづき法務大臣の許可を受けた株式会社で、資本金5億円以上と弁護士である常務取締役が要件です。

扱えるのは特定金銭債権に限られ、一般の事業者が持つ通常の売掛金は原則として対象外です。

ファクタリング業者が業務として買い取った金銭債権は対象に含まれるので、売掛金を譲渡すればその後の回収は買い取った側の問題になります。

自社の売掛金を回収したいなら相談先は弁護士です。期日前で不安があるなら、ファクタリングで手放す選択も検討してください。

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