月末の支払いを前に通帳を見て、「会社にお金がない」と気づく瞬間は、経営者なら一度は経験があるはずです。
売上は立っているのに現金が足りないのか、そもそも赤字なのかで、やるべきことは変わります。
このページでは、会社にお金がない原因の見分け方、今月の支払いに優先順位をつける考え方、相談先の順番、売掛金があるときにファクタリングで入金を前倒しする方法と注意点をまとめました。
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会社にお金がない原因は赤字だけではない
「お金がない」と「儲かっていない」は別の話です。
決算では黒字なのに現金が足りない会社は珍しくなく、日本政策金融公庫も、利益と現金が動くタイミングのずれで決算書と預金残高に差が出ると説明しています。
まず、自社がどの原因に当てはまるかを確かめます。
| 原因 | 起きていること | 見分けるポイント |
|---|---|---|
| 売掛金の回収が遅い | 売上は計上済みだが入金が1〜2か月先。仕入や給料の支払いが先に来る | 売掛金残高が月商の1.5か月分を超えていないか。入金遅れの取引先がないか |
| 在庫が増えている | 仕入れた商品や材料が売れずに倉庫にあり、現金が在庫に姿を変えている | 在庫金額が前年より増えていないか。動いていない在庫がないか |
| 借入返済の負担 | 利益とは関係なく毎月の元本返済で現金が減る | 年間の返済額が、税引後利益+減価償却費を上回っていないか |
| 売上が急に伸びた | 受注増で仕入や外注費の先払いが膨らみ、入金が追いつかない | 売上が伸びているのに預金残高が減っていないか |
| 赤字 | 売上より経費が多く、毎月現金が減り続けている | 月次の損益で営業利益がマイナスになっていないか |
上の4つは黒字でも起きます。
原因が売掛金や在庫なら、入金を早める・在庫を現金に戻すという打ち手があり、赤字なら経費や売り方そのものを変える必要があります。

今月の支払いに優先順位をつける


全部は払えないと分かったら、何を先に払い、何を相談して待ってもらうかを決めます。
順番の基準は「止まると事業が続かないもの」と「遅れると法的な影響が大きいもの」です。
- 従業員の給与:労働基準法24条で全額を期日に払う義務があり、遅れれば人が離れて事業が止まります
- 手形・小切手の決済:不渡りを6か月以内に2回出すと銀行取引停止処分となり、事実上の倒産になります
- 事業に不可欠な仕入先・外注先:止まると売上そのものが立たなくなる取引先を優先します
- 税金・社会保険料:延滞税や延滞金が付きますが、猶予制度の相談ができます
- 金融機関への返済:無断で遅らせず、先に返済条件の変更(リスケジュール)を相談します
- 家賃・リース・その他経費:支払日の調整を相談しやすい項目です
税金や借入返済を後ろに置くのは「払わなくてよい」という意味ではありません。
無断で滞納すると差し押さえや信用低下につながるので、支払えないと分かった時点で先に相談し、合意のうえで時期をずらします。


一番やってはいけないのは、連絡せずに支払日を過ぎることです。期日前に「◯日に払います」と伝えた会社と、黙って遅れた会社では、相手の対応がまったく違います。
日繰り表で「いつ底を打つか」を見る
月単位の資金繰り表では、月の途中で残高が切れる日を見落とします。
お金がないときは、向こう1〜2か月の入金日と支払日を日付順に並べた日繰り表をつくり、残高が最も低くなる日を特定します。
その日までに入金を前倒しできる売掛金があるか、支払日を数日ずらせる相手がいるかを探すのが最初の作業です。



相談する順番は金融機関・取引先・公的窓口
金融機関には返済条件の変更を相談する
借入の返済が重いなら、取引銀行に返済条件の変更(リスケジュール)を相談します。
元本返済を一定期間止めて利息のみにする、返済期間を延ばすといった方法があり、黙って延滞するより信用は保たれます。
相談には直近の試算表と資金繰り表、改善の見通しが必要です。
税金と社会保険料には猶予の制度がある
国税は、一時に納付すると事業の継続が難しい場合などに、原則1年以内の分割納付を認める猶予の制度(納税の猶予・換価の猶予)があり、税務署に申請します。
社会保険料も、年金事務所に相談すれば納付の猶予や分割の相談ができます。
猶予が認められると延滞税や延滞金が軽減または免除される場合があるので、滞納してから動くより先に相談するほうが負担は軽くなります。
よろず支援拠点は無料で何度でも相談できる
国が47都道府県に設置しているよろず支援拠点では、資金繰りを含む経営の相談を無料で何度でも受けられます。
税理士や中小企業診断士などの専門家が対応し、金融機関との交渉の進め方や公的融資の使い方も相談できます。
ひとりで抱え込む前に、こうした窓口を使うことが立て直しの近道になります。



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売掛金があるならファクタリングで入金を前倒しできる
請求書を出して入金待ちの売掛金があるなら、ファクタリングで入金日より前に現金化できます。
ファクタリングは売掛債権をファクタリング会社に売る取引で、借入ではないため負債が増えず、信用情報機関に記録も残りません。
審査では自社の決算より売掛先の支払能力が見られるので、赤字や設立直後で融資が通りにくい会社でも相談できます。
ただし、「審査がない」わけではありません。
売掛金が実在すること、入金日が確定していること、売掛先が法人であることは確認され、入金日を過ぎた請求書や個人向けの債権は買い取られません。
かかる手数料は業者の公式表記で確認する
手数料は売掛先の信用や金額、入金までの日数で個別に決まります。
当サイトで紹介している業者では、ベストファクターが買取手数料2%から、最短即日、2社間・3社間の両方に対応と公式サイトに表記しています。
オンラインで完結させたいなら、QuQuMo(ククモ)が請求書と通帳の2点で申し込め、手数料1%から、最短2時間の入金を公式サイトで案内しています。
いずれも下限の数字です。
売掛金100万円を手数料10%で売れば受け取れるのは90万円なので、見積もりでは手数料率ではなく「振込額」で判断してください。



設立直後の会社が使うときの注意
設立したばかりで決算書がない会社でも、法人の売掛先に出した請求書があればファクタリングの相談はできます。
ただし、取引実績の浅い売掛先の債権は手数料が高くなりやすく、業者によっては開業後の期間に条件を設けています。
創業期に毎月ファクタリングに頼ると手数料で利益が残らなくなるので、日本政策金融公庫の創業融資など低コストの資金と組み合わせ、入金のずれを埋める場面に限って使うのが現実的です。
お金がないときにやってはいけないこと
金融庁は、ファクタリングを装った高金利の貸付けを行うヤミ金融業者が確認されていると注意喚起しています。売掛先が払えないときに利用者が買い戻す条件(償還請求権)が付いている、買取額が額面に比べて極端に低い、会社情報が公開されていない業者は使わないでください。
給与ファクタリングに手を出す
経営者個人の給与や報酬を買い取ると称するサービスは、最高裁が貸金業に当たると判断しており、無登録業者による違法な貸付けです。
連絡せずに支払いを止める
税金・社会保険料・借入は、無断で滞納すると差し押さえや期限の利益喪失(一括請求)につながります。払えないと分かった時点で相談するのが原則です。
会社と個人のお金を混ぜる
経営者の個人口座から一時的に補填すると実態が見えなくなり、金融機関からの評価も下がります。貸し付けるなら金銭消費貸借契約書を残します。
困ったときは、金融庁の金融サービス利用者相談室(0570-016811、平日10時〜17時)や、各地の消費生活センター(188)にも相談できます。



会社にお金がないときのよくある質問
まとめ
会社にお金がないときは、原因が売掛金の回収遅れや在庫なのか、赤字なのかを先に見分けます。
払いきれない月は、給与と手形決済を最優先にし、税金・社会保険料・借入は無断で遅らせず猶予やリスケジュールを相談します。
入金待ちの売掛金があるなら、ファクタリングで入金を前倒しする方法があり、償還請求権のない契約と振込額の確認を条件に、入金のずれを埋める手段として使えます。



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