合法なファクタリングかどうかを契約書の条項で見分ける

合法ファクタリング会社の手数料や入金スピードなどを事前に確認しておくコラム

ファクタリングが合法かどうかは、業者の名前ではなく契約書の中身で決まります。

同じ会社でも、契約の形によって債権の売買になったり、実質的な貸付けになったりするからです。

判断の材料は公開されていて、金融庁が示す基準と、実際の判決で何が見られたかが分かっています。

このページでは、契約書を条項ごとに読む手順と、利用する側が違法にならないための線引きをまとめました。

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合法なファクタリングを支える3つの柱

柱内容
債権譲渡として成立していること民法は債権の譲渡を認めている。金融庁もファクタリングを法的には債権の売買(債権譲渡)契約だと説明している
リスクが業者に移っていること売掛先が払わなかったときの損を、買い取った側が負う形になっている
対価が相当であること買取代金が債権額に比べて著しく低くない

この3つが揃っていれば、債権の売買として成り立ちます。

逆に2つ目が崩れている契約は、裁判で貸付けと判断されてきました。

カリオ
カリオ

読むときの一本の軸は「払わなかったときの損は誰が負うのか」です。これだけ持って契約書を最初から最後まで見ていけば、おかしな条項は目に留まります。

契約書を条項ごとに読む

条項売買として成り立つ形貸付けに近づく形
契約の表題と目的債権譲渡契約、売買契約と明記されている表題だけ債権譲渡で、中身に返済や利息の語がある
償還請求権売掛先が支払わなくても、利用者は責任を負わない回収できなければ利用者が支払う定めがある
買戻し買戻しの定めがない一定の期日に利用者が買い戻すことになっている
表明保証債権が実在すること、二重譲渡でないことを保証する売掛先に不払いの兆候がないことまで保証させる
担保・保証人不要担保の差入れや代表者の連帯保証を求める
支払方法買取代金を一括で受け取る利用者から業者への分割払いが定められている
買取代金額面に対して相当な金額債権額に比べて著しく低い
回収の委託委託を受けて回収し、期日までに引き渡す回収できなければ利用者の資金で穴埋めする

右側の形が入っている契約は、金融庁が貸金業に該当するおそれがあるとして挙げているものに重なります。

とくに表明保証は見落としやすい条項です。

東京地裁令和4年3月4日判決は、ノンリコースの規定があっても、不払いの兆候がないことを売主に表明保証させているのは債務の保証を求めているのに等しいとして、金銭消費貸借契約に該当すると判断しました。

金融庁は、ノンリコースの規定があるかといった形式的な要素だけでなく、経済的側面や実態に照らして判断されるとしています。「償還請求権なし」と書いてあることを理由に、ほかの条項を読み飛ばさないでください。
ファクタリングは違法なのか。裁判所が貸付けと判断した契約の共通点

利用する側が違法にならないために

合法な業者と契約しても、利用者の行為が違法になることがあります。

利用者側の禁止事項
  • 同じ債権を複数の会社に売る(二重譲渡)。詐欺罪に問われるおそれがある
  • 実在しない請求書を作る、金額を書き換える。詐欺や私文書偽造等の問題になる
  • 2社間で売掛先から入金されたのに送金しない。契約違反として法的手続きの対象になる
  • すでに争いになっている債権を、問題がないと偽って売る

見積もりを複数社から取ること自体は問題ありません。

契約まで進めるのを1社に限れば、二重譲渡にはなりません。

どの請求書をどこに出したかを一覧にしておいてください。急いでいる月ほど取り違えが起きます。債権譲渡は登記の先後や支払期日の確認で突き合わせられるため、二重譲渡は必ず発覚します。
ファクタリングで請求書を偽造するとどの罪にあたるのか
請求書の水増しや架空の請求書は詐欺、書類の偽造や変造は私文書偽造等にあたります。現行の刑法の条文で法定刑を確認し、なぜ必ず発覚するのか、偽造ではないのに金額がずれる場合の伝え方、やってしまった場合の対応までまとめました。

契約前に聞いておく質問

書面だけで分からない部分は、申し込む前に直接聞いてください。

そのまま使える質問
  • 額面からいくら引かれて、実際にいくら振り込まれますか
  • 売掛先が支払わなかった場合、こちらに請求されることはありますか
  • 買い戻しを求められる条項はありますか
  • 債権譲渡登記は必要ですか。費用はいくらかかりますか
  • 入金を受けてから何日以内に送金すればよいですか
  • 見積書と契約書を事前にいただけますか

最後の質問に渋られたら、その時点で候補から外して構いません。

一般社団法人オンライン型ファクタリング協会の自主ガイドラインは、会員企業に対し、取引をする前に手数料の金額または割合、回収金の引渡方法と引渡期限などを情報提供することを求めています。

会社公式サイトの記載手数料
ベストファクター償還請求権なしの完全買取2%〜
QuQuMo債権譲渡登記の設定不要。担保・保証人は不要1%〜
PayToday掛け目を使わず請求金額100%から手数料を引く1〜9.5%
ラボル手数料は一律10%のみ。振込手数料などの他の費用はかからない一律10%

いずれも各社公式サイトの表記(2026年10月時点)です。

カリオ
カリオ

質問に即答できるかどうかも判断材料です。条件を自分の言葉で説明できない担当者は、自社の契約内容を把握していないということになります。

判断に迷ったときの相談先

窓口連絡先受付
金融庁 金融サービス利用者相談室0570-016811(IP電話からは03-5251-6811)平日10:00〜17:00
日本貸金業協会 貸金業相談・紛争解決センター0570-051051(IP電話からは03-5739-3861)9:00〜17:00(土日祝・年末年始を除く)
消費者ホットライン188最寄りの消費生活相談窓口を案内
警察相談専用電話#9110悪質な取立ての被害

金融庁は、少しでも心配な点があれば弁護士に相談するなど、違法な取引が行われないよう留意してほしいとしています。

貸金業登録の有無は、金融庁ウェブサイトの「登録貸金業者情報検索サービス」で調べられます。

よくある質問

Q
手数料が何パーセントまでなら合法ですか?
A
率で線が引かれているわけではありません。ファクタリングは債権の売買なので、利息制限法の上限がそのまま当てはまるものではないためです。金融庁が偽装ファクタリングの疑いとして挙げているのは、買取代金が債権額に比べて著しく低額であるケースです。率より、額面と実際の振込額の差を見てください。
Q
償還請求権ありの契約は、それだけで違法ですか?
A
ただちに違法とは限りませんが、金融庁は、売主が債権を買い戻すこととされている、または売主自身の資金で支払いをしなければならないこととされている契約について、貸金業に該当するおそれがあるとしています。貸金業の登録がない業者がそうした契約を業として行っていれば、無登録営業の問題になります。
Q
契約書を事前にもらえないと言われました。
A
申し込まないでください。条件を書面で示せない理由があると考えるほうが自然です。オンライン型ファクタリング協会の自主ガイドラインも、会員企業に取引前の情報提供を求めています。その場で署名を迫られる状況は、内容を読ませない目的である可能性があります。
Q
契約書を自分で読む自信がありません。
A
金額が大きい場合や、見慣れない条項がある場合は弁護士に見てもらってください。急いでいても、償還請求権、買戻し、表明保証の3つだけは自分で探して読んでください。この3つが問題なければ、売買として成り立っている可能性が高くなります。

まとめ

合法なファクタリングは、債権譲渡として成立し、リスクが業者に移り、対価が相当であるという3点で成り立ちます。

契約書では、償還請求権、買戻し、表明保証、担保・保証人、分割払いの定めを順に見てください。

「償還請求権なし」の一文があっても、表明保証で実質的に保証を負わされている例が裁判で認められています。

利用する側も、二重譲渡や架空債権、送金の不履行をすれば罪に問われます。見積もりは複数でも、契約は1社だけにしてください。

ファクタリングの仕組みをお金と債権の動きで解説!2社間・3社間の流れ、手数料が決まる仕組み、法律上の位置づけと偽装の見分け方
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