「今月は忙しかったから、たぶん儲かっているはず。」
「通帳にまだ残っているから、しばらく大丈夫。」
数字ではなく感覚と通帳残高で会社を回している状態を、どんぶり経営(どんぶり勘定)と呼びます。
創業期はそれで回ることも多いのですが、人を雇い、取引先が増え、借入が始まると、感覚と実態のずれが資金繰りの事故になって現れます。
このページでは、どんぶり経営の何が問題で何が問題でないのかを整理したうえで、1円単位の簿記を覚えなくても数字で把握できるようになる5つの手順と、入金待ちの売掛金を現金に戻す手段としてのファクタリングの位置づけをまとめました。
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どんぶり経営の何が問題で、何が問題ではないのか
どんぶり経営は、言葉の響きから「ずさんな経営」と受け取られがちですが、すべてが悪いわけではありません。
| 内容 | |
|---|---|
| 問題ではないこと | 経営者が1円単位の仕訳を自分で切らないこと。数字の細部は税理士や会計ソフトに任せて、本業に時間を使うのは合理的 |
| 問題になること | 売上・原価・固定費・現金残高の4つを月単位で把握していないこと。値上げや採用、借入の判断を「たぶん」で下していること |
| 事故になること | 利益が出ていると思っていたら納税資金がない。入金サイトを把握せずに受注を増やし、支払日に現金が足りない。在庫が現金を食いつぶしていることに気づかない |
中小企業庁も、小規模事業者の資金繰りが厳しくなる背景として、売上の減少のほかに資金繰りの見える化など財務・会計の管理が十分でない可能性を指摘しています。
脱どんぶり経営の目標は「経理に詳しくなること」ではなく、千円・万円単位でよいので、会社のお金の全体像を毎月同じ形で見られるようになることです。

決算書が読めなくても構いません。「先月の売上はいくらで、原価と固定費を引いていくら残り、月末の現金はいくらだったか」を即答できれば、どんぶり経営からは抜けています。
どんぶり経営から抜け出す5つの手順

- 手順1月次で数字を締める日を決める毎月10日など、前月分の売上・原価・固定費・月末現金残高を確定させる日を決めます。年1回の決算だけでは、気づいたときには1年分の問題が積み上がっています。会計ソフトに通帳とカードを連携させれば、締め作業の大半は自動化できます。
- 手順2原価と固定費を分ける仕入や外注費など売上に連動する費用(変動費)と、給与・家賃・リースなど毎月同額の費用(固定費)を分けます。売上から変動費を引いた粗利が、固定費を上回っているかどうかが毎月の判断の軸になります。
- 手順3損益分岐点の売上を知る固定費を粗利率で割ると、利益ゼロになる売上(損益分岐点)が出ます。たとえば固定費200万円・粗利率40%なら500万円です。この数字を知っていれば「あといくら売れば黒字か」「固定費をいくら増やしてよいか」を感覚ではなく数字で決められます。
- 手順43か月先までの資金繰り表をつくる利益と現金は別物です。月初残高・入金・支払・月末残高を3か月先まで並べ、残高が最も薄くなる月を先に見つけます。納税や賞与など年に数回の支払いも書き込みます。
- 手順5会社と個人の財布を分ける経営者の個人的な支出を会社の口座から出していると、数字がいくら正確でも実態が見えません。役員報酬を決めてその範囲で生活し、会社から借りるときは契約書を残します。
5つのうち、手順1と手順4だけでも始めれば、資金繰りの事故はほとんど防げます。

数字が見えると判断が変わる3つの場面
値上げの判断
粗利率が分かれば、原材料が1割上がったときに価格をいくら上げれば粗利が維持できるかが計算できます。
感覚で据え置いた結果、忙しいのに利益が減っていく、という状態を避けられます。
採用と設備投資の判断
固定費が月にいくら増えるか、その分を回収するのに売上がいくら必要かを損益分岐点から逆算できます。
「忙しいから人を増やす」ではなく、「粗利が月◯万円増える見込みがあるから増やす」という判断になります。
借入と返済の判断
借入金の元本返済は費用にならず、税引後の利益から返します。
年間の返済額が「税引後利益+減価償却費」の範囲に収まっているかを見れば、借りてよい金額の上限が分かります。



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入金サイトを把握したら、売掛金は資金繰りの道具になる
数字が見えるようになると、多くの会社で「入金待ちの売掛金が現金を圧迫している」ことが分かります。
売上は立っているのに現金が足りない原因の多くはここにあります。
対策は2つあります。
ひとつは取引先と交渉して回収サイトを短くすることで、もうひとつは、売掛債権をファクタリング会社に売って期日前に現金化することです。
ファクタリングは借入ではないので負債が増えず、審査は売掛先の支払能力が中心です。
ただし手数料は売掛金額に対して数%から十数%かかるため、毎月の常用ではなく、入金のずれが大きい月や、融資の審査を待つ間のつなぎとして使うのが基本です。
| 業者 | 手数料(公式表記) | 入金 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| ベストファクター | 2%〜 | 最短即日 | 2社間・3社間に対応。償還請求権なしの完全買取と公式サイトに表記 |
| QuQuMo(ククモ) | 1%〜 | 最短2時間 | オンライン完結の2社間。請求書と通帳の2点で申し込める |
手数料は下限の表記で、売掛先や金額によって変わります。



どんぶり経営に関するよくある質問
まとめ
どんぶり経営の問題は、1円単位を見ていないことではなく、売上・原価・固定費・現金残高の4つを月単位で把握せずに判断していることです。
月次で締める日を決め、原価と固定費を分け、損益分岐点を知り、3か月先までの資金繰り表をつくり、会社と個人の財布を分ける。
この5つで、値上げ・採用・借入の判断が感覚から数字に変わります。
入金待ちの売掛金が現金を圧迫していると分かったら、回収サイトの交渉と、必要な月に限ったファクタリングで現金に戻してください。



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