国際ファクタリングってどんな仕組みになっているの?流れを見ながら確認してみよう!

国際ファクタリングってどんな仕組みになっているの?流れを見ながら確認してみよう!コラム

ファクタリングとは売掛金をファクタリング会社へ売却し、手数料を差し引かれた代金を受け取る方法です。

この方法を利用して資金調達するとお金が入ってくるまでの期間を短縮できるため、資金難に悩んでいるような中小企業の資金繰りを改善することができます。

そしてファクタリングには色々な対象がありますが、国際ファクタリングというものがあります。

この記事では国際ファクタリングについて解説していきたいと思います。

国際ファクタリング①

そもそも国際ファクタリングとはどんな取引のことになるのでしょうか?
これまで海外バイヤーとの貿易取引のリスクヘッジのためには貿易信用状が主に利用されてきました。

しかし最近、貿易に関わる実務の負担を軽減することを目的として貿易信用状を利用しない決済が注目されるようになりました。

さらに貿易信用状を用いない送金ベースの決済ならよりスピーディに進めることができるので、海外の取引において主流になりつつあります。

世界各国の金融機関が力を合わせて国際ファクタリングを利用すれば、輸出企業の債権回収リスクや売掛金の管理をサポートできるようになり、安全・確実な輸出代金の回収サービスが実現できるのです。

ファクタリングは市場規模が拡大中!なぜなのかをわかりやすく解説!
ファクタリングの市場規模は登場した当初に比べると低くなりましたが、近年になって急速に拡大しています。ITの活用によってクラウドファクタリングが登場し、利便性の高い方法として注目されるようになったからです。働き方改革や新しい生活様式の影響で厳しい企業も増えたため、クラウドファクタリングの活用メリットが大きくなっています。

国際ファクタリング②

国際ファクタリングについて流れを含めながら確認しておきましょう。

国際ファクタリングは日本国内の輸出業者が商品を輸出し、海外の企業が商品受け取ってその支払いを行う際に発生する売掛金を、日本国内の業者が買い取るというシステムというとわかりやすいかもしれませんね。

「ファクタリング」という名称がついているので資金調達が主な目的であると考えてしまうと訳が分からなくなってしまうのですが、海外の業者から、売掛金(売上金)をキッチリと回収するために利用されるとみるとよりはっきりと目的がわかるようになるはずです。

どうして海外の業者の場合にわざわざこんなことをしなければいけないのかと言えば、未払いの発生や、与信(支払い能力)の調査などいろいろなポイントで不安が残るケースがあるからです。

国際ファクタリング③

通常のファクタリングは2社、または3社によって実施されますが、国際ファクタリングは通常のファクタリングと違い、
・輸出業者(ファクタリング利用者)
・海外の輸出業者(支払いを行う)
・日本国内のファクタリング会社
・海外のファクタリング会社
以上の4社が介在します。

つまり4社間ファクタリングとも言い換えることができるでしょう。

国際ファクタリング④

国際ファクタリングを行うときの具体的な流れを見てみましょう。

1.「輸出企業」と「輸入企業」が売買を行う

2.国際ファクタリングを利用することを通知する
「日本国内の輸出業者」が国際ファクタリングを行うことを輸入業者に申請します。

3.「輸出企業」から「日本国内のファクタリング会社」へ引受の依頼

「国際ファクタリング」は「輸出業者」主導で進めます。

4.「国内のファクタリング業者」から「海外のファクタリング業者」へ引受依頼
申し込みを受けた国内のファクタリング会社は、輸入会社の現地にある海外のファクタリング業者にファクタリングの引き受け依頼を行います。

5.調査結果の報告
「輸入企業」の信用調査を行い問題がなければ引き受けることになるでしょう。

6.「国内のファクタリング会社」から「輸出企業」へ国際ファクタリングの依頼受領通知が出される

7.「輸出企業」は輸出を行う

8.輸出企業は契約どおりに商品を輸出したことを通知する

9.「輸入企業」から海外のファクタリング会社へ支払い

10.海外のファクタリング業者から国内のファクタリング業者へ支払い

11.国内のファクタリング会社から輸出企業へ支払い

日本国内のファクタリング会社から輸出企業へ支払いが完了すれば、取引は終了です。

国際ファクタリングを実施すると良いことがたくさんありますが、デメリットもあります。

それは
・手数料が高い
・利用できる会社が少ない
ということです。

国際ファクタリングの費用相場は、「信用調査費」として約1万円程度、さらにファクタリング手数料として、請求書に対して約0.7~2.0%/月です。

普通に取引をするよりもおよそ最大4倍程度のコストがかかりますから、決して小さな差ではありません。

また国際ファクタリングに対応している会社は、
・三井住友
・みずほ
・三菱UFJ
など国内の大手ファクタリング会社だけです。

この中から選ばなければいけなくなってしまうので、選択肢はそれほどないと考えて良いでしょう。

なぜこれだけの企業しかやってないのかというと、資金力が必要な上に現地のファクタリング会社と業務提携、もしくは支社進出を行う必要があるからです。

また国際ファクタリングの仕組みもやや煩雑で敷居が高く、利用所総数自体も少ない・もしくはこの手間を許容できる規模の取引を行っている法人が対象となります。

つまりファクタリング業者の信用が必要になってくるという訳です。

国際的に大きな取引になるため、それなりにしっかりとしたスケールの会社でしかできないのです。

ファクタリングの勘定科目はどうする?よく使われる勘定科目を紹介!
ファクタリングをしたときには勘定科目が契約内容によって異なり、融資とは違う仕訳をする必要があります。売掛金が関わるのは同じですが、未収入金と短期借入金・短期貸付金、支払手数料と売上債権売却損の使い分けが重要です。ファクタリングでは取引が売掛債権の売買か融資かによって使用する勘定科目が異なるので注意しましょう。

国際ファクタリングまとめ

この記事では国際ファクタリングについて解説してきました。

国際ファクタリングは怪しい取引ではなく、海外での取引を行うえでよく行われている仕組みです。

以上、国際ファクタリングってどんな仕組みになっているの?流れを見ながら確認してみよう!…でした。

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