ファクタリングの手数料に消費税がかからない理由と課税される費用

ファクタリング利用には消費税を負担しなければいけないのでしょうか?コラム

ファクタリングの手数料に消費税はかかりません。

金銭債権の譲渡が非課税取引とされているからです。

ただし、同じ取引のなかでも消費税がかかる費用があり、請求の内訳によっては上乗せが正しい場合もあります。

このページでは、どの費用が非課税でどれが課税なのか、そして課税売上割合への影響まで、国税庁の資料で確認した内容をまとめました。

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手数料が非課税になる理由

国税庁のタックスアンサーNo.6201「非課税となる取引」では、主な非課税取引として有価証券等の譲渡が挙げられ、そのなかに金銭債権などの譲渡が含まれています。

ファクタリングは売掛債権という金銭債権を譲渡する取引なので、この区分にあたります。

手数料に消費税が乗らない理由

額面と買取額の差は、サービスの対価ではなく、債権を額面より安く売ったことによる差額です。役務の提供に対する手数料ではないため、消費税を上乗せする対象になりません。

カリオ
カリオ

見積書に「手数料50,000円(うち消費税5,000円)」のような書き方があれば、その場で内訳を聞いてください。何に対する消費税なのかを説明できるかどうかが分かれ目です。

かかるものとかからないもの

項目消費税理由
売掛債権の買い取りそのもの非課税金銭債権の譲渡
買取手数料(額面と買取額の差)非課税債権譲渡の対価の一部
債権譲渡登記の登録免許税対象外税金そのもの
契約書に貼る収入印紙対象外印紙税
債権譲渡登記の司法書士報酬課税役務の提供
事務手数料・出張費課税役務の提供に該当する場合
振込手数料課税銀行が提供する役務

買取手数料は非課税でも、登記を伴う契約では司法書士報酬という課税取引が別に発生します。

請求の内訳に課税分が混ざること自体は不自然ではありません。問題は、買取手数料そのものに消費税を上乗せしている場合です。

手数料に消費税を乗せて請求してくる業者は、制度を理解していないか、過大に請求している可能性があります。内訳を書面で出してもらい、何に対する消費税なのかを確認してください。説明できない場合は申し込まないでください。
ファクタリングの手数料相場と少しでも安く抑えるためのコツについて
ファクタリングにおける手数料について解説します。手数料のポイントになるのは、二社間ファクタリングと三社間ファクタリングです。それぞれの手数料がどのぐらい違うのか、一般的な相場について紹介します。また、これらに加え手数料を安くするためのコツについても解説します。ファクタリングの手数料を安く抑えたい人にオススメの内容です。

課税売上割合はどうなるのか

非課税の売上が増えると課税売上割合が下がり、仕入税額控除が減るのではないかと心配されることがあります。

ここは誤解が多いところです。

国税庁のタックスアンサーNo.6405「課税売上割合の計算方法」には、次のように示されています。

総売上高と課税売上高の双方には、不課税取引、支払手段の譲渡、特定の金銭債権の譲渡および国債等の現先取引債券(売現先)等の譲渡に係る売上高は含みません。

さらに、総売上高に加える金銭債権の譲渡対価について、次のように定められています。

総売上高に加える特定の有価証券等および貸付金、預金、売掛金その他の金銭債権(資産の譲渡等の対価として取得したものを除きます。)の譲渡対価の額は、その譲渡対価の額の5パーセントに相当する金額とされています。
自社が商品やサービスを提供した結果として持っている売掛金は、「資産の譲渡等の対価として取得した」金銭債権にあたります。この括弧書きで除かれているため、通常の売掛金をファクタリングで譲渡しても、課税売上割合の分母に加える必要はありません。つまり、課税売上割合が下がることはありません。
譲渡する債権課税売上割合への影響
自社の売上から生じた売掛金分母にも分子にも含めない。影響しない
買い取った金銭債権を、さらに譲渡する場合譲渡対価の5%を分母に算入する(消費税法施行令48条5項)

国税庁の質疑応答事例「再ファクタリングの場合の課税売上割合の計算」でも、償還や弁済を受ける前に金銭債権を譲渡した場合は、譲渡対価の額の100分の5に相当する金額を分母に算入するとされています。

一般の事業者が自社の売掛金を売る場面では、この5%の算入は出てきません。

会計ソフトの税区分

設定するときの注意
  • 売上債権売却損(買取手数料)は、課税仕入れにしない
  • 司法書士報酬は課税仕入れで登録する
  • 振込手数料も課税仕入れ
  • 収入印紙は対象外(不課税)

買取手数料を課税仕入れで登録してしまうと、仕入税額控除を過大に計上することになります。

最初の1件を登録するときに、科目と税区分をセットで確認してください。

ファクタリングの勘定科目の選び方と間違えやすい処理
買取型の手数料は売上債権売却損として営業外費用に計上します。支払利息や支払手数料が適切でない理由、2社間で売掛先から入金があったときの預り金処理、国税庁が非課税取引とする範囲、決算書にどう表れるかまで整理しました。

インボイスとの関係

非課税取引なので、買取手数料について適格請求書を受け取る必要はありません。

一方、司法書士報酬のような課税取引については、仕入税額控除を受けるために適格請求書等の保存が必要になります。

国税庁によると、適格請求書等を交付できるのは税務署長の登録を受けた適格請求書発行事業者に限られます。登記を伴う契約では、司法書士からの請求書に登録番号があるかを確認してください。
会社手数料登記
QuQuMo1%〜債権譲渡登記の設定不要と公式サイトに明記
ラボル一律10%。振込手数料などの他の費用はかからない公式サイトで確認
PayToday1〜9.5%公式サイトで確認
ベストファクター2%〜債権譲渡登記について案内あり

いずれも各社公式サイトの表記(2026年10月時点)です。

登記が不要な会社を選べば、課税取引である司法書士報酬そのものが発生しません。

カリオ
カリオ

手数料の%を比べる前に、登記費用が別に乗るかどうかを聞いてください。数万円単位で総額が変わります。

よくある質問

Q
手数料に消費税を請求されました。払うべきですか?
A
買取手数料そのものに対する消費税であれば、支払う前に内訳を確認してください。金銭債権の譲渡は非課税取引なので、譲渡の対価に消費税は上乗せされません。ただし司法書士報酬や事務手数料といった役務の提供にあたる費用が含まれているなら、その部分は課税です。何に対する消費税かを書面で示してもらってください。
Q
ファクタリングを使うと課税売上割合は下がりますか?
A
自社の売上から生じた売掛金を譲渡する場合は下がりません。国税庁の課税売上割合の計算では、特定の金銭債権の譲渡に係る売上高は総売上高にも課税売上高にも含めないとされ、5%を加える対象からも「資産の譲渡等の対価として取得したもの」は除かれているためです。
Q
消費税込みの請求書を売った場合、消費税の分はどうなりますか?
A
売掛金は税込みの金額で発生しているので、その税込額が買い取りの対象になります。消費税の納税義務は売上を計上した時点で自社にあり、ファクタリングで譲渡しても移りません。買取代金から納税分を取り分けておかないと、申告の時期に資金が足りなくなります。
Q
印紙は誰が貼るのですか?
A
契約書の種類と当事者の取り決めによります。印紙税は消費税の対象外なので、消費税が上乗せされることはありません。電子契約の場合は、紙の文書を作成しないため印紙税がかからない扱いになります。負担の取り決めは契約前に確認してください。

まとめ

ファクタリングの買取手数料は、金銭債権の譲渡の対価にあたるため非課税です。消費税は上乗せされません。

一方、債権譲渡登記の司法書士報酬、事務手数料や出張費、振込手数料は役務の提供なので課税取引です。

自社の売掛金を譲渡しても、課税売上割合は下がりません。5%を分母に加える対象から、資産の譲渡等の対価として取得した金銭債権は除かれているためです。

会計ソフトでは、買取手数料を課税仕入れにしないよう税区分を確認してください。

ファクタリングの仕訳を場面ごとに具体例でまとめる
額面100万円・手数料5万円の例で、2社間・3社間・保証型それぞれの仕訳を借方と貸方で示しました。契約日と入金日が分かれる場合の未収入金、2社間の預り金、期をまたぐときに残る残高、会計ソフトの税区分の設定まで整理しています。
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